『オンライン葬儀システム』を考える
いよいよこんな時代がやってきたんですね。
東京の株式会社ビンクという会社が、オンラインを利用した参列や香典のクレジットカード決済、参列者管理などの「すべてがそろったオンライン葬儀システム」を葬儀社向けに販売開始すると発表しました。
昨今、コロナの影響により参列できない弔問客に対して、葬儀のYouTube配信サービスなどを行う葬儀社が増えているようですが、この会社は葬儀の実況中継をはじめ、弔問・会葬受付、供花・弔電の受付、香典を預かるなどの葬儀に必要な機能を全てオンライン上で行えるサービスを提供するのだそうです。つまり、世界中どこにいてもインターネットを通じて参列できることを売りにしているわけです。
供花や香典はもちろん電子決済が可能で、香典返しの返礼品なども取り扱うようです。
コロナ禍の一時的な措置としてはまだしも、このような会葬形態が今後葬儀の主流になってゆくんじゃないかと危惧しています。
全国の葬儀社がこのようなシステムを導入してゆけば、瞬く間に広がってゆくのは想像にたやすいことですね。
遺された家族が悲しみをご縁に「死」と向き合い、弔問に来られた友人知人から故人の在りし日の言動などを聞かせていただくことで、自分の知らない故人を再発見することがたくさんあると思います。
遺族の知っている故人は、家庭内の顔しか理解できず社会的な姿は友人、同僚など他人の方が良く存じているかも知れません。故人の意外な一面が弔問された方から聞かされるのです。
オンライン葬儀はコロナ禍の一時的な措置に限定していただきたい。そう願ってやみません。