myoganji’s diary

終活、仏事、介護、人生の悩みなど住職の視点から考えてみたいと思っています

妙願寺におけるSDGsの取り組みは

国連が掲げている「持続可能な開発目標( SDGs 」 の最初の取り組みとして、 17 ある目標項目から11番目にある「住み続けられるまちづくり」を選び、今年から「妙願寺SDGs」をはじめることにしました。
まず、妙願寺の所在する日高町は由良湾から日御碕までのおよそ10キロが海岸筋で、街の中心部と比較して、少子化・高齢化が著しく、昨年度末で海岸の小学校も閉校するなど、過疎が急速に進行しています。
そこで、まずお寺版『ゆいごん白書®』認定講師の資格取得を目指し、お寺を中心とした地域の活性化を図ってゆくことが大切だと考えています。
取得後は、お寺を会場に地域住民に対して終活全般のことに加え、お寺で終活講座を開くことで、お寺にとっても地域の皆さんにとっても有意義なことになるのです。
葬儀、仏事のことだけでなく、入院、認知症、延命治療、遺品整理、後見人、信託、デジタル遺品、ペットのことなど70項目にわたる終活に必要な知識もお伝えすることができ、より地域の人たちから相談されやすい存在となるのではないかと考えています。
お寺は昔、役所の役割を果たし、学問を教える場でもあり、「駆け込み寺」といわれいたように、長きに渡り日本人の「心の拠り所」となっていましたが、今はお寺へ相談に行く人たちも減り、寺離れが加速化しています。信頼されるお寺という点でこの講座を各地の寺院で開催することによる効果は大きいと思います。また、お寺で終活をする文化が広まっていけば、地域住民同士の方同士のコミニティが生まれます。人との繋がり、絆が強まっていくと、自分の町が、そこに住む人々が好きになり、心豊かな人生を送ることができるのではないでしょうか。
まさにそれは、SDGsの11番「住み続けられるまちづくり」そのものであり、お寺版『ゆいごん白書®』を通じて、寺と町を笑顔にし、本来あるべきお寺の役割と存在意義を日本中に広げていければ、お寺を中心とした地域の活性化に繋がると思います。

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お寺や僧侶の役割を考える

久しぶりの投稿となりました。
今日からお彼岸、境内に隣接する墓地にお墓参りに来られた方がもう二桁を超えましたよ。
が、本堂まで上がられた方は所要で来られた門徒総代さん唯一人。最近お寺参りも新型コロナウイルスの影響でめっきり減りました。
もちろん年回忌法要など家族のみの法要が増え、それまで必ず参っておられた方の姿が見られないのは残念なことですね。

お寺になぜお参りするの?

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ここから西の方へ十万億もの仏がたの国々を過ぎたところに、 極楽と名づけられる世界がある。そこには阿弥陀仏と申しあげる仏 がおられて、今現に教えを説いておいでになる。「阿弥陀経意訳」

浄土真宗では各種法要や家庭のご法事では勤行(おつとめ)と法話(ほうわ)がセットになっています。
仏徳讃嘆のおつとめとともに重要なのが、法話のお聴聞ですね。
仏道場としてお聴聞の場である本堂の外陣(げじん:お参りされた方々が座る畳の間)が内陣(ないじん)と比較して広いことでもおわかりかと思います。

法話をお聴聞させていただき、阿弥陀さまがなぜ私たちを等しく救おうとされたのか、阿弥陀さまが本願を起こした理由、つまり自らの力では決して迷いの世界から出ることのできない衆生を救うために、本願が起こされたこと(仏願の生起本末:しょうきほんまつ)をたずねてゆくのです。

葬儀や年忌で読経する役割が僧侶で、お寺はその場所にしか過ぎない(最近は葬祭場での葬儀が主流だが)と思われている方がほとんどではないでしょうか。

自身の生き方を振り返り、お粗末(凡夫)な我が身を自覚するご縁の場として、お墓参りも結構ですが、各寺で勤められる彼岸会(ひがんえ)にぜひお参りさせていただきましょう。

『オンライン葬儀システム』を考える

いよいよこんな時代がやってきたんですね。
東京の株式会社ビンクという会社が、オンラインを利用した参列や香典のクレジットカード決済、参列者管理などの「すべてがそろったオンライン葬儀システム」を葬儀社向けに販売開始すると発表しました。
昨今、コロナの影響により参列できない弔問客に対して、葬儀のYouTube配信サービスなどを行う葬儀社が増えているようですが、この会社は葬儀の実況中継をはじめ、弔問・会葬受付、供花・弔電の受付、香典を預かるなどの葬儀に必要な機能を全てオンライン上で行えるサービスを提供するのだそうです。つまり、世界中どこにいてもインターネットを通じて参列できることを売りにしているわけです。
供花や香典はもちろん電子決済が可能で、香典返しの返礼品なども取り扱うようです。

コロナ禍の一時的な措置としてはまだしも、このような会葬形態が今後葬儀の主流になってゆくんじゃないかと危惧しています。

全国の葬儀社がこのようなシステムを導入してゆけば、瞬く間に広がってゆくのは想像にたやすいことですね。

遺された家族が悲しみをご縁に「死」と向き合い、弔問に来られた友人知人から故人の在りし日の言動などを聞かせていただくことで、自分の知らない故人を再発見することがたくさんあると思います。
遺族の知っている故人は、家庭内の顔しか理解できず社会的な姿は友人、同僚など他人の方が良く存じているかも知れません。故人の意外な一面が弔問された方から聞かされるのです。

オンライン葬儀はコロナ禍の一時的な措置に限定していただきたい。そう願ってやみません。

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葬儀業者を通さない「手作り葬」マニュアル 遺体安置、火葬などの注意点

 私が妙願寺の法灯を受け継いだ頃〈平成元年〉は、当たり前に通夜・葬儀が自宅で行なわれていました。
 以前勤務していた老人ホームで入所者がお亡くなりになると、葬具店に棺とドライアイスなど施設で葬儀ができる必要最小限の葬具品を購入し、死亡届の提出をして、火葬場の予約、霊柩車の手配などを行い通夜・葬儀を仏間で入所者の皆さんとともに執行したことでした。
 地元でも、訃報を聞きつけると班の方が駆けつけ、白木の祭壇を設置し、小菊などの仏花を1対お供えし、通夜・葬儀の受付、テント張りその他諸々の準備など2~3日仕事を休んでのお手伝いでした。
 つまり「手作り葬」が当たり前でした。
 子どもの頃過ごした勝浦で、葬具店の手伝いで棺桶の組み立てをしたこともありました。意外と組み立てやすく、棺桶の原価も数千円だったように記憶しています。

 今、コロナ禍で葬儀の簡素化が急速に進んでいます。通夜・葬儀を省略して火葬場での「直葬」が急増しているといわれています。また遺族や親族が当然しなければならない死亡手続きや病院からの遺体の搬送など全てが葬儀業者任せになっているようです。

 さて本題ですが、昨今では葬儀業者を通さずに行う遺族が増えているという。葬儀費用を安く抑えられる上に悲しみに寄り添う時間も自宅では十分にあろうかと思います。
 何より遺族が主役というのがいいですね。業者任せにせず、遺族が主体となって亡き人を偲び見送るという点では、今後こういった形態での葬儀が増えてくれるといいと思います。

 自宅が狭ければ、菩提寺での寺院葬もできるのではないでしょうか?
 日頃から菩提寺との関係が良好なら、葬儀を寺院で行いたいと施主が申し出れば、断るご住職はいないと思いますよ。

詳しい記事内容は↓でご覧下さい
 
 

article.auone.jp



和歌山教区 日高組 妙願寺

自筆の遺言書ってどこで保管するのが安全か?

ブログを始めました。このサイトはこれからもっと必要となる終活についての話題や、お寺の住職として葬儀・法事など仏事に関することで気になるニュースを話題に取り上げてゆきたいと思います。

 

同じ和歌山に住む私にとっては気になるニュースです。

紀州ドン・ファン」と呼ばれ、2018年5月に急性覚醒剤中毒で亡くなられた、田辺市の会社経営者、野崎幸助さんの遺言書「全財産を田辺市に寄付」が問題となっています。詳しい記事はこちら→

https://news.yahoo.co.jp/articles/02d3e4d76241bb3c7b90fe8c3775438da9df3fcd

法務局における自筆証書遺言書保管制度について

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

人権擁護委員として法務局に出入りしていますが、ふと1枚のパンフレットが気になり、支局長さんに思い切って概要をお伺いしました。

今年の7月から自筆の遺言書を全国の法務局で安価で保管していただける制度でした。早速、公証役場に遺言したいと前々から言っていた叔父にこの制度の概要を手渡し、制度を活用してみては?と助言をしました。

 

遺言書を公証役場公正証書を作成するとなると、公証人への費用も掛かり証人2人の立ち会いも必要です。証人になれない未成年者や推定相続人など誰でも証人になれません。

定められた様式で自筆の遺言書を法務局に提出することで、費用は3,900円という安価で作成でき、もちろん証人も必要はありません。自宅での保管は、紛失や改ざんなどの心配もなく、家庭裁判所での確認も不要だそうです。

 

終活をする上で、自分の財産を死後どうしたいのか、誰にも知れずに遺言できる方法なのではないかと思います。

紀州ドンファンのように後々相続争いなど揉めないよう、身近な方々にお声かけ頂くなどご参考になれば幸いです。

 

myoganji.webu.jp